板橋エスペラントクラブ

エスペラント語は1887年にポーランドの医師ザメンホフによって創案された国際補助言語です。ヨーロッパの言語をベースにした単語、シンプルな文法、わかりやすい発音が特徴の、学びやすい言語です。世界で100万人の話者がいると推定されています。わたしたちは、毎月第1・3土曜日、東京都板橋区成増でエスペラント語を学んでいます。言語、国際交流に興味のある方一緒に学習しませんか?

2020年6月の活動(1)

6月6日(土)、定例の学習会を開催しました。コロナ禍によって2か月程度、教室での開催ができませんでしたが、6月より会場が利用できるようになり、久しぶりの現実世界での開催です。参加者は教室参加が6名、オンライン参加が3名、見学者が1名の10名です。見学者もいらっしゃったので皆自己紹介を行い、その後テキストLa Unua Kursolibroの第35章"Por ke vi sentu vin hejme,..."の本文を学びました。

この章ではエスペラントで言うところの意志法(...u)がでてきます。これは、命令や依頼、要求に使われる法です。話者の意志を表現する法なので意志法といいます。意志法の興味深い表現は、上記、第35章のタイトルにもなっている"por ke ...u"という表現です。これは「…するように」という目的を表す表現で、本文に次のような文章がでてきました:
"Ni faros ĉion ajn, por ke vi sentu vin hejme kaj agrable ..."、
「あなたがくつろいで快適に感じられるように、私たちはあらゆることをします。」という意味です。

このような動詞の表現はインド・ヨーロッパ語族の言語に見られ、接続法と呼ばれています(英語では仮定法とも)Wikipediaでは勧告・命令・禁止・願望・後悔など、願われたことや考えられたことを述べるである、と説明されています。主に主節に接続した従属節で使われることから接続法と呼ばれています。

エスペラントの意志法と接続法は部分的に重なっています。次のような文章は同じ構文で表現されるので面白いですね。

(目的)
・(参考)彼女があなたの言うことがわかるようにもっとゆっくり話してください。(日本語)
・Parolu pli malrapide, por ke ŝi komprenu. (エスペラント
・Parla più piano perché lei ti capisca. (イタリア語)
・Habla más despacio para que ella comprenda.(スペイン語
・(参考)Please speak more slowly so that she can understand.(英語)

太字箇所が接続法(エスペラントの場合は意志法)の動詞、下線部は「…するために」という表現です。(英語ではこの場合には接続法(仮定法)は使われません。)

また、下記の例ではすべて接続法/仮定法現在/意志法が使われてます。

(意見)
・(参考)彼はその手紙をすぐに読む必要がある。(日本語)
・Estas necese, ke li tuj legu la leteron.(エスペラント
・Es necesario que él lea la carta inmediatamente.(スペイン語
・E' necessario che lui legga la lettera immediatamente.(イタリア語)
・It is necessary that he read the letter immediately.(英語(特にアメリカ英語))

このように意志、主観、目的などを表す接続法がエスペラントにも組み込まれているのは、面白いことだと思います。

さて、次回6月20日(土)は教室&オンラインでの開催です。エスペラントに興味をお持ちの方がいらっしゃったら、itabashiesp(アットマーク)gmail.comまでお気軽にご連絡ください。